調子に乗って天体鑑賞スクール第2弾をお届けします。
 
なお、下の写真は本文と関係がありません。
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コーチ:「え~、皆さんはまだ中級ですが、天体鑑賞上級者は、単に鑑賞ができるだけでなく、鑑賞後のコメントも素晴らしいので、それに関するスキルも身につけなければなりません。」
少女A:「おじさん!」
コーチ:「何度言ったらわかるの?おじさんじゃなくてコーチです。」
少女A:「コ、コーチ、スキルって何ですか?」
コーチ:「スキルって技とか技術のことです。今日説明するのは特に話をする技術のことです。」
少年B:「それって"なんぱ"にも使えますか?」
コーチ:「キミは小学生のくせに何を言うのかね?!でも私も嫌いな方ではないので、後で教えてあげます。」
「ではまず、夏の代表的な球状星団M13を見せてもらった時に発するコメントについて考えてみましょう。どう言ったら良いと思いますか?」
少女A:「"中心まで分離していますね!"っていうのはどうですか?」
コーチ:「"分離"という専門用語が上級者っぽくって良いですね。」
少年A:「"光軸がずれていますよ!"というのは?」
コーチ:「例え事実でも相手を不愉快にさせてはいけません。その場合は"空の状態がいまひとつかなあ?"と言ってみましょう。」
少女A:「もっと通っぽいのはありませんか?」
コーチ:「"透明度が良さそうだから6207も結構見えるかも?!"と言うのはどうかな?!」
少年・少女:「6207ってなあに??」
コーチ:「6207はNGC6207の略で、M13のすぐ傍にある系外銀河です。NGCカタログの天体名が出てくると上級者っぽくて良いですよ。
M4球状星団を見せられた時にすぐ近くのNGC6144の話をするのも良いですね。
夏だったら必ず球状星団M13を見せてくれるので、予め準備しておけば良いでしょう。」
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少年A:「月を見せてもらった時のコメントは?」
コーチ:「"けっこうシャープですね!"この言葉が一番です。木星や土星の場合は"模様が濃く見えますね!"と言ったり、"時折像が止まって見えますねえ!"なんて言うとばっちり上級者です。惑星の模様や月のクレータの話題を持ち出すのも良いですが、月を低倍率で見せられた時は、視野内に恒星が見えることがありますので、それを探していかにもさり気なく告げてみましょう。人によっては"鋭い観察眼"に感動してくれます。」
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少年B:「知らない天体を見せられたら?」
コーチ:「その場合、望遠鏡の話題に持って行きます。例えば、、、"このアイピースは何ですか?すごく抜けが良いように感じるけど。"とか、"もっと倍率を上げられそうですねえ。"とかです。
少年A:「コーチが女を口説く時に使った言葉は?」
コーチ:「それはセクハラ的発言なので、改めなさい。」
少年C:「じゃあ、、、異性と二人で星を見た時に言った言葉は?」
コーチ:「金星を彼女に見せると決まって"まあ綺麗!すごく輝いている!!"って言うので、すかさず"きみの輝きには敵わないよ"と言っています。でもこういうことは観望上級者のエロ親父なら誰でも言うので、私は少し変えて"今きみの瞳に映った金星の輝きは例えるものが無い位美しいなあ!"と言ったりしています。」
少年A:「そんなので口説けるの?」
コーチ:「駄目ですね。でも周りにはうけますよ!」
少年C:「その他は?」
コーチ:「はくちょう座の二重星アルビレオを低倍率で見せながらオレンジ色のジャケットを彼女にかけて、自分はブルーのジャケットを羽織り、"アルビレオって僕らみたいだね。ほらぴったり寄り添っているよ"と言います。この時、間違っても倍率を200倍以上に上げては駄目ですよ。2つの星が離れるだけでなく、星がアメーバみたいにうねって気持ちが悪いですからね!」
少女B:「上級者はそんなことが言えなきゃならないの?私は中級者で充分だわ。」
少年B:「コーチ、話が逸れてきているような感じがするのですが、これまでの話をまとめると、どんなことを言えばよいのですか?」
コーチ:「周りの連中を不愉快にさせることなく、自分の知識をさり気なく見せることですね。重星を見た時にスペクトルの話をしたり、望遠鏡の収差の話を得意気にするのは駄目です。 」
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少年B:「コーチはどうやって勉強したのですか?」
コーチ:「テ○ビューのホームページに載っている製品レポートを毎日3回ずつ言葉に出して読んで、わからないところをネットサーフィンで調べました。それから古典についても勉強しました。」
少年B:「古典って?」
コーチ:「古い話のことです。例えば昔あった販売店(アトム、オリオン館、協栄産業名古屋店や福岡店)の話題やTS式3枚玉セミアポP型赤道儀等望遠鏡の話、1982年か83年に初めてナグラーを覗いた時の驚き。それから大口径反射望遠鏡を出していたパノップ光学のこと等を知っておくと、おじさん達から可愛がられます。
また、"月にはじまり月にもどる"、"望遠鏡の性能の半分はアイピースで決まります"とか"明日は山へ(これ知っているかな?)"といったキャッチコピーを会話に入れると一部のマニアにうけます。」
少年B:「何だか難しいなあ。上級者になって良い事があるのですか?」
コーチ:「別にありませんよ。下手に色々な事を知っていたら、マニアで話好きのおっさんたちに囲まれ、ずっと相槌を打たなければならなくなりますから大変ですよ。」
少年・少女:「・・・」


おしまい