TSPでのプレゼン時の写真を以下に示します。
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スクリーンに向かって左側にシャキール、右側に私がおります。
この場面では双眼望遠鏡でなくても双眼装置で良いんじゃないかという質問に対する回答をEMSや店長プリズムのロンキー写真を用いて私が行っているところです。
 
ところでプレゼン終了後にRodney Rochaと名乗るNASAに勤める教授の方が話をしに来ました。
彼の最初の一言は「ボーイング787は複合材で胴体や主翼を作ってほんとに良かった。」でした。
「どうしてそんなことを言うのか?」と尋ねると「複合材だとアルミよりも耐久性が落ちるからね。」とのこと。
彼はDamage Tolerance Design(損傷許容設計)の大家で、2003年に発生したスペースシャトル・コロンビア号の空中分解事故調査委員会の人だったのです。
 
コロンビア号といえば、犠牲者の一人であるカルバナ・チャウラ宇宙飛行士がシャキールの大学時代のクラスメートでかなり仲良しだったとのことで、何らかの縁を感じました。
 
当事故は剥離した断熱材が機体にダメージを与えたことが原因で、そのような損傷があっても問題なく運用できる損傷許容設計の徹底が不可避であると彼は唱えていました。
私が構造設計をやっていたと自己紹介に書いていたので、私と話したくて共通の話題を持ってきたのでしょう。
 
せっかくだから「現在の宇宙開発における損傷許容設計の例はないか?」と尋ねてみたら彼はノリノリで答えてくれました。
 
現在最も問題となっているのは宇宙ごみ(orbital Debris)である。
小さなものでもかなりのエネルギーを持っているため、ISS(国際スペースステーション)での屋外活動時につかまる為の手すりにDebrisがぶつかった際に手すりの一部が削り取られ、先端が鋭いナイフ状の形状になることがある。それを知らずに宇宙飛行士が捕まるとグローブを破いてしまうことがあり、深刻な問題であるとのこと。
損傷許容設計の概念ではそのようなことは通常いつでも起こると仮定しているので、Debrisの衝突のモニタリング及びそれの対処にかなりの金をかけている。
 
フットボール場サイズの巨大なISS全体のモニタリングが可能なのか尋ねたら、やっているとのこと。しかし、損傷許容設計を軽んじているロシアはそれにお金をかけないので困ったものだとおっしゃっていました。
また、宇宙ごみの危険性を認知していない中国が失敗を恐れずどんどん人工衛星を飛ばすのにも手を焼いているが、今のところそれを阻止することはできないとのこと。
 
何だか国際的な問題の話まで聞いちゃいました。Rodneyさんの単なる自慢話に過ぎなかったのですが、私は大変興味深かったです。