George Colemanがほんとによろよろと入って来て下の写真に写っているスツールに腰かけました。いや腰かけるというより周りの人たちに担ぎ上げられた感じ、、。
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そして最初から置いてあったテナーサックスを受け取り自分が演奏に入るタイミングを計っていました。
そして音を出した、、。
すっごく優しい、、。かなり独特で、一緒に吹いていたEricとも昨夜のRaviとも全く違う、、。他のプレイヤが奏でる音楽とずれているような、でも合っているような、、。でもなんか聴いたことがあるぞ、、。

Liveの時は思い出さなかったのですが、後で調べてわかりました。
Herbie Hancockの「処女航海」というアルバムのタイトル曲、、。如何にも出港する感じのテーマが流れた後のColemanの短いソロ、、。ほんとに短く次にソロを取るトランペットのFreddie Hubbardへの単なるつなぎって感じなんですけど、優しくて妙に色っぽい、、。ちょうど50年前の本人の演奏を思い出したってわけです。

George Colemanはその昔、モード奏法がわかっていないとか他のプレイヤの足を引っ張っているとか酷評を受けていたのですが、それがわからないでもない。
優しくて良い感じなんだけど長年やっているメンバーと融合している感じではありませんでした。
でもそこの妙なアンバランスが面白かった。彼は下手なんじゃなくてマイペースなだけなんでしょうけど、、。

2曲くらい演った後、ピアニストのMabernがColemanに次の曲のコードは?と尋ねました。でもColemanは無言。2人の間にいたテナーのEricがもう一度尋ねますが、やはり無言。Mabernがbフラットで良いよね?と聞き、それをまたEricが繰り返したにもかかわらずColemanが無言だったことに会場がどっと沸き、和やかな雰囲気になりました。
だって、2人の質問は凄く大きな声で会場の後ろの方にもはっきり聞こえるほどでしたので、、。

その後もマイペースなColemanをみんなが盛り上げるような感じの良い演奏が続きました。
もっとも良かったのが♪Good Bait。Coltraneの名曲をテナー2本で吹きまくり、、。このLiveのタイトルがTeneor Madnessということだったのですが、まさにそんな感じ。
因みにTenor MadnessはSonny RollinsがリーダーでColtraneとやった名演なんですが、そのタイトルを付けてColtraneの名演をやるとはなかなか興味深い。

テナーの一人が80歳、ピアニストが79歳で、ともに歩くのがおぼつかないなんてことが嘘じゃないかと思うほど大迫力の演奏でした。

やっぱり超一流はLive全体の流れをしっかり作ってきますね。ここでも今まで味わったことがないような素晴らしい体験をすることができました。