さて、今回は変形を極力抑えることを目的としたLoad Path(荷重の流し方)の基本の話をします。
 
大原則は以下の通り
 
①荷重は地面まで伝えて行かねばならない。
②荷重は急には曲がれない。←荷重を流す為の部材は荷重の作用方向の延長上に置くことが望ましい。
③各部材(パーツ)の断面積が大きいほど荷重が負荷されても安定し、大きな荷重を流すことができる。
 
次に下の図をご覧ください。
この図は各部材への荷重の流し方を示しています。
 
イメージ 1

Aは基本的な荷重の流し方で棒材の長手方向にまっすぐ荷重を流しています。
いかにも安定していて変形も無さそうですよね。

B~Eはあまり良くない流し方で、部材が変形しやすい方向に荷重が負荷されています。
これらは専門用語を使うと「部材の曲げによって荷重を伝えている」と言うことができます。

古い竹刀を渡されて「これを壊せ」と言われるとほとんどの人が竹刀を折ると思います。
竹刀を曲げるような力を加えて、、。
 
つまり曲げで荷重を伝えるの容易に変形するので望遠鏡としてはあまり良くないです。

市販のドブで上の図の△のような構造が用いられている場合がありますが、板厚が大きいとかスティール製とかだったら全く問題ないです。別に△の構造を否定しているのではなく、よりベターな構造は上の〇印であるという見解ですのでご理解ください。
 
上の図のF~JはB~Eの改良型です。
オレンジ色の部材は私が後から追加したもので、こういったものを加えると変形がかなり抑えられます。
FはAを更に良くした形で部材を圧縮する方向の荷重が大きければ部材が座屈して不安定になるので、座屈しないよう横からそっと支えています。

イメージ 2

一方Kは一見しっかり補強されているように見えますが、良くない例です。
曲げ荷重による力(曲げモーメントといいます)のピークは補強部よりもさらに左側なので全く補強になっていません。
ただ、振動対策としては有効かも知れません。振動についてはまた話をします。

頭の中にあることを一気に吐き出したので読みにくい文になったかも知れません。
(すみません)