コーチ:今回は前回の続きです。特に伝染病感染者を見抜く手口を紹介しましょう。
少年A:伝染病だってさ。恐ろしいなあ。
コーチ:そうなんです。とても恐ろしいのです。感染すると数百万円が吹っ飛ぶこともありますし、そもそも保険がききません。まずは次の日付をつぶやいてみましょう。
「2019/7/2, 2021/12/4, 2023/4/20, 2024/4/8」
少年A:随分先の話だね。
少年B:オリンピックじゃないし、ワールドカップかな?以前に天体鑑賞スクールでやった「天体導入対決」の世界大会かな?
コーチ:世界大会。いいですね。是非やってみたいな。ヒントは太陽。
少年C:太陽の爆発?
少年A:何回も爆発するわけないだろ!
少女A:わかった日食でしょ!!
コーチ:その通り。今後皆既日食が見られる日です。先ほど述べた日付に反応する日食病患者はかなり早い時期から準備するようですよ。準備の中で最も大変なのが長期休暇の取得ですね。上司に言い出すタイミングが難しい。長期間に及ぶので仮病とか使えませんから日頃の勤務態度と上司の機嫌がカギになりますね。でもマニアの人は休暇をもらえる独自の方法を持っているようですよ。
少女A:伝染するのかな?
コーチ:伝染はしにくいと思いますが、一度発病するとなかなか治まらないようですよ。あの透明感があるコロナやプロミネンスは写真では表現できませんから。家族の意見が海外遠征のネックになることがありますので、積極的に奥さん(旦那さん)にうつそうと頑張る人も多いようです。
さて、日付の問題をもう一つ。 「1/24, 2/23, 3/24, 4/23, 5/22, 6/21」
少年S:間隔が29日または30日だ。これは月に関係するものかな?
コーチ:S君鋭い!
少年A:上弦の月?
コーチ:惜しい。この日又はその翌日は天文に関するSNSやブログがこの話題で持ちきりになります。
少年S:月面Xが見られる日かな??
コーチ:正解です。SNSに普通の月の写真をのっけてもウケないので、みんなイベント性/話題性のあるものを載せちゃいたいのですよ。ですから先ほど示した日付に敏感な人は話題性のあるもの好きだと考えられます。それから月面Xよりも確認が難しいものに月面Aがあります。この写真を撮ってSNSにアップすると他の人より格上感が出ますのでおすすめですよ。それからISSやイリジウムフレア等の様子をとらえると「凄い!」と言ってもらえます。
少年C:みんな、ウケたいからやってるの?
コーチ:ウケ狙いもあるのでしょうが、一過性のイベントを逃さず捉えたという自己満足的要素も含んでいると思います。特に今年の月面Xが見られるのは昼間であることが多いので、時間の確保や撮影に関する難易度が上がるからなおさらです。
少年A:そんな人への対処法は?
コーチ:「月面Xという一時的な現象をとらえるなんて流石ですね。」で決まりです。あと、「月面XとISSの月面通過が同時に撮れたら凄いよね」なんて言うと、イベント好き伝染病の重症患者だったら、チャンスを狙って日本中飛び回るかも知れませんよ。
少年A:伝染については?
コーチ:するかも知れませんが、しても知れていますよ。みんなより立派な写真を撮りたければそれなりの機材を購入する必要がありますが、、。
少年A:utoさんもウケようとして月面”3”や”K”を紹介したことがあるんだって??
コーチ:そうなんです。でも自宅で月を観察する人の多くは屈折望遠鏡に天頂ミラーを使った裏像を観ていますので、非対称の文字は読めないんですよね。utoさんは裏像大っ嫌い人間で、どんなに首や背中が痛くても天頂ミラーを使わないから知らなかったんだって。
少年B:ところでコーチ、この数字はわかる?
「5, 5,4, 5, 5, 5, 4, 5」
少女M:Bくんやめて、これって私の学校の成績。
コーチ:Mちゃん凄いじゃないか、5が多いね。
少女M:これ100点満点なの。それからね、自分の名前を書いたら5点がもらえるの。
少年A:4点があるってことは
少女M:てへ、名前を間違えちゃった。
コーチ:次の数字に行きましょう。
「50,65, 68, 82, 100, 110, 120」
少年C:タカハシの望遠鏡?
少年A:たぶん違うよ。68mmなんて無いし、、。そういえば高橋の65mmP型は3枚玉セミアポとして有名だったみたいよ。口径比が7.7というのも当時としては珍しく、短い鏡筒に技術が詰まっているようでワクワクしたらしいね。
コーチ:最近はワクワクするような望遠鏡がないですね。では問題のヒント、「単位は度」です。
少年C:アメリカニューメキシコ州の気温の変化!!
少年B:ニューこしがや??それって、社会的な地位が駄目になる可能性があるけどできれば内緒で続けたいと思う人が訪れるホテルニュー越谷のこと??
コーチ:Bくん、こじつけるねえ。この意味が分からない人はホテルニュー越谷で検索してね。で、ニューメキシコの気温はその数字に近いです。米国で使われている華氏を摂氏に直すと50~120は10℃~49℃。。。あり得ますね。
少年B:49度なんて暑すぎて死んじゃうんじゃないの?
コーチ:メキシコに最近行かれたutoさんは48度を経験したらしいのですが、吹いてくる風が熱いだけでそれほど不快じゃなかったそうです。日本の梅雨の方が何倍も不快とか、、。
さあ皆さん、問題の答えはどうですか?
少女A:アイピース??
コーチ:そうです。これらはアイピースの見かけ視界の値です。その昔は50度でもそこそこ広いという認識でしたが、1980年頃に82度のナグラーが登場し100倍で月全部が見えると評判になりました。その後100度、110度、120度の広角アイピースが出ると同時に10万円を超える超高級アイピースも普通に販売されるようになったのです。
これらが好きな広角アイピース病感染者の多くは大口径ドブ依存症や双眼病という合併症も併発していて大変なんです。
少女C:治療薬はあるの?
コーチ:一度発症すると駄目ですね。合併症併発の人はそれらを運ぶための車を新調したりして1千万円以上のお金が飛ぶこともあるようですよ。一生に一度だからという自分への言い訳が口癖です。
少年B:コーチ、今日の薀蓄は?
コーチ:じゃあNGC3424/3430を導入して
少年A:なんだか淡いけどたれ目の人のように見える
コーチ:これは某師匠が笑っているように見えるのでつるべアイと言います。命名はKさん。
少女B:そう言われると見えなくもないね。
コーチ:これを見た加賀千代女が「朝顔につるべとられてもらひ水」を詠んだというのは有名な話ですね。
少年B:ほんとかよ、きっと俺が生まれる前の話だし、、。
おしまい
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