火星大接近時の衛星フォボスの明るさは10.9等級。-2.8等級の火星の30万分の1です。
一方、そこそこの難物であるシリウスとその伴星(シリウスB)の輝度差は約6000倍。シリウスBの方が離角が半分とはいえ、フォボスの方が断然難しそうですね。
私は火星本体より遠くにあるダイモスを以前に望遠鏡で見たことがありますが、、。
 
点光源である恒星と面で光っている惑星とを同じ土俵で比較するのはおかしいと思い、火星を単位面積(1秒角)当たりの輝度に変換してみたところ、3.8等級でした。(明るさは指数関数なので、それを適用して計算しました。)
この3.8等級と10.9等級を比べると約700倍。ちょっとイメージと異なりますね。やっぱり光の集積効果を考慮する必要がありそうです。因みに満月の1秒角当たりの明るさは3.3等級でした。
 
いろいろ考えていたら良いお手本がありました。
土星です。
この土星本体周辺には1013等級の衛星が結構ありますので参考にできそうです。本体の明るさは火星の14分の1ですけど。
ということで、先週45cmで土星の衛星を注意深く観察してみました。
見えた衛星はTitan(8.9), Tethys(10.7), Rhea(10.1), Dione(10.9)及びEnceladus(12.3)5つでした。
結果は表のとおりで、その時にニコン1手持ちで写したコリメート写真も掲載します。

Moon
Planet
Mag.
(Blight)
Mag.
(Faint)
Brightness
Difference
Separation
Note
Phobos
Mars
-2.8
10.9
301995
24"
??
Dione
Saturn
0.1
10.9
20893
20"
Easy
Enceladus
Saturn
0.1
12.3
75858
15"
Fair
Mimas
Saturn
0.1
13.3
190546
4"
Not Visible
(Ref)Sirius
Sirius B
-1.4
8
5754
10"
Fair
 
この日はシーイング、透明度とも良好ではありませんでしたが、火星とフォボスとの位置関係より近い衛星も見ることができました。
イメージ 1
今回確認できなかったMimasの土星との輝度差が20万倍とフォボスの30万倍に結構近いですね。
私はこれまで何度もMimasを観たことがあるので、45cmを用い、シーイング、透明度の良い日ならばフォボスを観ることができるかも知れません。因みにMimasは230~460倍で確認できています。
その時、反射望遠鏡ならばスパイダー金具の位置関係にも気を留めてください。
また火星があまりにも明るい場合は幅5mmほどのアルミ片をアイピースの視野絞りのところに付けると良いということが米国で報告されています。若しくはBlue Filter(#47)を半円状に切ったものでも良いそうです。

木星の衛星の動きを観察される方はたくさんおられるようですが、土星や天王星、火星も面白いですよ。