長時間露出が多くなる天体写真屋にとって、三脚の使い方というのは大変重要ですが、ネットをくまなく探しても定量的に示したものは見つかりませんでした。

これから数回にわたり、精度良く(ガタが少なく)作られているGitzo Traveler GT1541T with Markins(雲台)と重いカメラの代表であるNikon D3s with 70-200mmF2.8を題材にした力学的考察を行います。

まずはWorst Case(最も弱いケース)に対する考察。
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足を最も縮めた状態で写真のようにカメラの重心と三脚の重心位置にオフセットがある場合です。すぐに倒れてしまいそうですよね。
この場合のそれぞれの脚に作用する荷重を力学的釣り合いの式を用いて計算したものが以下の図。
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カメラから最も遠い脚には僅か210gしか重量がかかっておらず、カメラ上部に横向き荷重である120gを加えると倒れてしまいます。

次にカメラがどれほどの重さになれば倒れるのか計算してみました。
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三脚が倒れる時は最も遠い脚に作用する重量が0になる時ですが、その時のカメラ重量は5.7kgでした。実物で試してみたのですが、5.7kgまでは行かないものの、まあまあ同じような値でした。

Gitzo GT1541Tの耐荷重量は8kgで、5.7kgはそれより4割も小さいです。
因みに雲台の耐荷重量は30kgです。
賢明な皆さんでしたら耐荷重量が三脚を用いた時の全ての使用方法を保証するものではないことをご存知ですよね。

次回はカメラを縦位置にした場合の対処法について定量的に考察します。