回は片持ちの経緯台に載せられた屈折望遠鏡の接眼部が上下方向に振動する場合の変形について図を用いながら具体的に解説します。

図のように接眼部の上下の多くは鏡筒又は接眼筒のピッチング(横方向軸周りの回転のことで鏡筒のお辞儀運動)により生じます。
接眼部にカメラなどの重量物を搭載する場合は、鏡筒若しくは接眼筒のたわみによる変形も考えられますが、振動に結びつく変形の多くは構造各部の隙間を埋めるような変形が起因となっています。

隙間ってどこにあるのか?
それは動く部位と組立構造の部位には必ず存在します。例えば架台の水平面内回転部です。(以下の図の赤い楕円参照)

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もちろん接眼筒のところにも隙間はあります。接眼筒は鏡筒とギヤでつながっておりますが、接眼筒をスムーズに動かす為にはできるだけ鏡筒と接触しない方が良いからです。

それから鏡筒と架台結合部にも隙間があり、それが振動に対して悪さすることがあります。(このあたりは望遠鏡の構造によって異なります。)

鏡筒にピッチングの力をかけると架台の水平回転軸のところの隙間は小さくなるように変形します。
これが振動に影響するのです。
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上の図は中央にある筈のボルトを描かず少しデフォルメしています。

特に小型で安価な経緯台に重量がある鏡筒を載せると上記問題が発生します。
これを防ぐには隙間をできるだけ小さくするよう調整したり、予め片側だけ隙間が小さくなるように反対側にシム(隙間埋め)等を入れると良いです。

この架台は強度や剛性が足りないという前に隙間がどこかにないか確認してください。

次回は望遠鏡を上から見た時の左右方向の振動(Yawing)について考察します。
今回と似たような話ですが、ネジ結合部の経年変化も考えます。