おもりの代わりに鏡筒底部にバネをつけるコンセプトで注意しなければならない点は2つ。
1つ目はバネの鏡筒結合部(下図のB)の鏡筒の動きに伴う軌跡(オレンジ色のライン)。
イメージ 1
 
鏡筒の頭下げモーメントに対抗するには鏡筒重心からできるだけ離れたところにおもりやバネを置いた方が効率的(おもり重量やバネが受け持つ荷重が小さくなるの)ですが、重心から離れれば離れるほどB点の移動距離が長くなり、それに伴ってバネの伸びが大きくなりバネが発生する荷重も大きくなります。
つまり、かなり伸びるけど荷重が大きくならないバネ定数の低いバネが必要となるのです。
 
逆に重心に近い位置にバネを配置する場合、軌跡が小さくなりますが、上記よりも大きなバネ荷重が欲しくなります。その為、上記よりもバネ定数の大きなバネが必要となりますね。
 
このコンセプトでもう一つ注意しなければならないのが、バネのロッカーボックス側結合部(A)

A点には上の図に説明があるように頭下げモーメントをキャンセルするような荷重が働きます。
前回書かなかったのですが、私が製作中の超軽量ドブはこの荷重の為に鏡筒部がとても不安定になるのです。
各鏡筒支持部に鏡筒重量の1/4が作用するのですが私のドブだと下向きに1.75kg。一方バネ結合部には上向きに3kgの荷重が作用します。

鏡筒は重心部近傍で自重により架台(ロッカーボックス)に押し付けられているのですが、バネ荷重によりお尻を持ち上げるようなモーメントが発生するので、鏡筒底部側の支持部が若干浮かされるようになります。

上図のようなコンセプトを採用している場合は、鏡筒重量が結構あって、A点のバネ荷重が気にならないほど鏡筒支持部荷重が大きい筈です。

次回はこの不安定構造解消の例を紹介します。