2017年12月

月面で水分が存在している地域の2つ目はRima sulpicius gallusです。
下の写真の矢印の先です。鮮明でなくてごめんなさい。
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Lunar 100の71番にも選定されていますね。

Mare Serenitatis(日本では晴れの海と呼ばれることが多いのですが、私はこの訳にも全く同意できません。)は比較的新しい溶岩流が全体をカバーしているようですが、このRima sulpicius gallus(窪地)はこの海の縁にある為新しい溶岩流に覆われておらず、古い水分を含んだ火砕流が見えているようです。

気流の良い日に高倍率かけると観ることができます。

Sky&Telescopeの2月号が本日届き、ざっと読んでいると月に水が存在している場所を示す記事がありました。

最も顕著と言われているところが先ほどinou母さんとコメント欄で会話したAristarcus Plateauの北半分とのことです。下の写真では判り難いのですが、矢印の先の黄色っぽい色が若干濃くなっている部分です。
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水があるといってもせいぜい500PPM以下ですけどね。

最近の天文学の発見は、我々アマチュアレベルの望遠鏡では確認できないものばかりでしたが、この月に関するものは自分の目で観ることができるので面白いです。

月の水に関する発見はこの10年ほどのことで、他にも色々と過去の論文を覆すようなことが判ってきているようですので最新の記事を参照しながら月の地形を観ていこうと思います。

今日はゆっくり冬の散開星団/惑星状星雲を観ようと思い、夕方に望遠鏡をバルコニに出したついでに軽く月の観察。
その時目についたユニークな地形3つを紹介します。気流は良くなかったのですが、Golden Oppotunityを狙って待っているとたまーに詳細を捉えることができました。
まずは北部のBabbageとAnaximander付近。
形が丸くなく、太い影が印象的でした。
昨日観えたJ.Herschelは目立たなくなりましたね。
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次はAristarchusのところのMons Herodotus。
Aristarchusのところの高度が高いことはこれまで分かっていましたが、Herodotus山についてはあまりピンと来ていませんでした。でもこの写真を見ると起伏がよく分かりますねえ。
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中央やや右上のMariusから南北に伸びるWrinkle Ridgeも良いですね。Mariusから欠け際にかけての起伏も面白かった。


南部は真っ黒いSchickardが超印象的。大きさは200kmくらいだそうですが、それよりも大きく見えます。
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肝心の星雲・星団の観察は雲の為、断念しました。

先ほど観た星雲星団の中で最も印象的だったのがこれ↓
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カシオペア座にある散開星団トリオです。
写真の円は0.8度の視野。私のドブでNaglar-4-22mm with Paracorrを使った時のものです。
こんな狭い視野に3つも散開星団があるなんて結構珍しいですよね。銀河ならいくらでもあるけど、、。
単に3つに分割しただけだと思われる方に3つが別々である証拠をお見せしましょう。
King14は地球からの距離が9700光年。NGC133は2100光年。NGC146が11000光年です。
この視野にはオレンジ色の星もいくつかあって賑やかです。

今日も雲間から月と星雲・星団の観察をしました。
まずは月から、、。
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昨日より月齢が一日進んでJ. Herschel(上の写真の下方の大きなクレーター)が見ごろとなりました。
内部に多くのクレータや起伏があり、なかなか面白かったです。(230倍での詳細観察結果)。
この辺りはさらさらの砂のような地形が多いですね。

南部はSchillerのあたりの迫力が凄かった。でも写真ではいま一つですね。
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今晩は気流の状態が良かったので、いつものiPhoneに代えてLeica Zoom+Nikon1で拡大撮影をしてみました。
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写真では海の微妙な色の変化や砂粒のようなもので形成されたクレータがとても美しかったのですが、眼視観察結果には遠く及びませんでした。

特に小さなクレータ、海の中のWrinkle Ridgeが美しかった。

気温は2度でとても寒かったのですが、先日カメラの夜露防止用に購入したハンデウォーマーを本来の使い方で使ったので快適でした。

今晩は雪が僅かに舞う中、月を眺めました。
薄い雪雲の影響で透明度が悪く、シーイングの状態もよくありませんでしたが、椅子に座ってじっくり眺めると細かい地形がそこそこ見えてきました。

面白かったのは下の写真のMare Nubium付近。いろんな地形が朝の光を浴びているところの臨場感がたまりませんでした。
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写真の写りはかなり悪いですね。iPhone Xを使ったのですが、このカメラは色はよく表現できますが、ラチチュードが狭すぎる、、。すぐに白とびを起こしてしまいます。またNikon 1に戻ってみようかな。

薄明時のCopernicusも印象的でした。
綺麗な形ですよね。
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周囲に小さなクレータの連なり(Chains of Impact Craters)があり、それがかわいらしくて良かった。写真には写っていませんが、、。

2時間後には端正なCopernicusが完成しました。
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海の部分の色の違いも面白いですね。

昨夜の月の動画...iPhoneコリメートです。
気流が悪く、揺れまくっていますね。


でも大きな揺れなのでじっくり観ることにより、詳細を掴むことができました。
明日以降も月が見れそうですので、いろいろと試し、来月の月食に備えたいと思います。

ほんとに今日の月は面白かった。
望遠鏡を向けた時、最初に眼に飛び込んできたのが2本の筋。
Rima AriadaeusとRima Hyginusです。特にHyginusのところは太陽の光が斜めに当たっていたので起伏がよくわかりました。
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次に目についたのが海の色の違い。上の写真でもよくわかりますよね。

それから北部の粒々だらけの山脈も印象的でした。

キラキラ輝いている山やクレータの頂上等、他にもたくさん見どころがあり、Naglar-4-22mm with Paracorrの106倍での大迫力の全景やLeica Zoomで変倍しながらのクローズアップ等、大いに楽しむことができました。

45cmで観る月は大迫力なので、皆さんに観てもらいたいです。

本日の月面は見どころ満載でしたが、中でも南部のStöflerが徐々に形成される(見えてくる)様子が面白かった。
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私が観始めたころ、右半分はまだ糸状の円弧でしたが、徐々に幅広くなっていきました。このクレータの内部には巻貝のような地形があって、真っ黒な背景とのコントラストが印象的でした。
その隣のMaurolycusの内部も丘やクレータがあってそれを気流の良くなった瞬間に捉えるのも楽しかったです。

写真にあるように欠け際は高度の高いところだけが点状に太陽に照らされていて、その形状が刻々と変化する様子もよかった。

写真はiPhoneコリメートですが、露出オーバー気味ですね。

昨夜の月の写真です。
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月面南部。一番下にはCentral Peakを伴ったPiccoromini。16世紀のイタリアの天文学者名ですね。私は小さな楽器を想像してしまいますが、、。

Piccorominiからねじれた紐のように伸びているのは以前も紹介したRupes Altai(長い崖)の一部です。
その他小さなクレーターやRilleがたくさんあるのが判りますね。もっと気流の状態が良かったらなあ。
でも悪シーイングのおかげで月がぎらぎらし、印象的なものになりました。

特に写真上部の南端は、ある意味臨場感がありますよね。

本日の月は薄雲が常に通過していた為、写真の出来はあんまりですが、欠け際でクレータにならない点状の地形がたくさん認められ楽しかったです。

特にPiccolominiの南部にあるくぼみ状の地形の中の円弧が超印象的。45cmだと分解能が高いので短い時間で地形の変化がわかり、いつまでも飽きませんでした。
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海の色の違いもよくわかりました。Mare Crisiumの北半分が南側と異なりやや茶色っぽく色分布が複雑であることを今晩初めて知りました。
下の写真にも写っていますよね。
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これからお届けする話はフィクションです。でも出てくる天体は実存しますので、良かったら望遠鏡でご覧ください。


コーチ:皆さん、こんばんは。

少女B:こーちは車で来たの?これベーエムベーだよね?

コーチ:ベーエムベー??あっ、そうか。1980年代はドイツ語読みが主流だったよな。でも今は英語でビーエムダブリュという人が多いね。

少年A:エンジンはミルキーシックス?

コーチ:みんな詳しいなあ。でもエンジンはミルキーじゃなくてシルキーシックス。絹のように滑らかに吹け上がるんだ。

少年C:えっ?滑らかに老ける?つるっぱげになるってこと??

コーチ:(Cの意見は無視して)では今日の本題であるスケッチの話をしましょう。まずはこれっ。ジャーン!!

少年D:ジャーンって、口で言ってる!いまどきジャーンなんて言わないよね。
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少女B:こーち、キレイ。これはスケッチ??

少年A:すっげー、めちゃめちゃリアル!! で、これって何??

コーチ:これはりゅう座トリプレットと言われる銀河だよ。りゅう座イオタ星からシータ星の方に望遠鏡を振って手当たり次第に探すと見つかるんだ。

少女A:導入方法がよくわからないけど、、。ところでいつ描いたの?

コーチ:昨夜ですよ。3時間くらいかかりました。

少女B:こーちぃ、ゆうべは曇っていましたよ。

コーチ:写真を見ながらこたつに入ってぬくぬくと、、。天体のスケッチを部屋の中で描くっていうのは楽でいいよね

少女B:えっ??

コーチ:美術の世界では、有名な画家が描いた作品を模倣することにより学ぶという方法があるだろ? 先日行ったメトロポリタン美術館でも5歳くらいの女の子がフロアに座り込んでママにクリスマスプレゼントで買ってもらった60色の色鉛筆を使ってフェルメールの油絵を「私、このひとのブルーが大好き!」なんて言いながらスケッチしてたよ。それを見ながら微笑んでいるSOHOで購入したと思われる派手なドレスを着た母親がかっこよかった。やっぱNYは最高だぜ。

少年A:またNYネタだー。10年前に1回だけツアーで行き、美術館にも日本語の解説を聴きながら2時間滞在しただけなのに、、。

少女B:ママが天文って忍耐だって言ってけど、こたつだなんて、、。藤井旭さんの「天体写真の写し方」のガイド撮影のページに載ってた、リュックを背負い、地面にあぐらをかいて屈折望遠鏡で捉えたガイド星を見ながらひたすら手動で追尾して反射望遠鏡による直焦点撮影を行っているおじさん(古田氏だったっけ?)が私の天体観測のイメージなんだけど。

少年CBちゃん、凄いの知っているね。しかも長文を滑舌よくしゃべるなあ。utoさんも野外でスケッチした後は自宅では殆どいじらない(修正しない)って言ってたよ。自宅で天体を観ずに仕上げると写真から得られた先入観がのっかっちゃうから嫌なんだそうな。

コーチ:でも手軽にSNSとかでいいねを貰うには写真をじっくり見てスケッチするのも良いと思うよ。やっている人、結構いるみたい、、。写真は地球の自転で動いていかないし、雲や気流の影響も受けない、、。星だけ星図ソフトから印刷し、その上に現地で星雲のスケッチを描く人もいるようだね。そもそも我々がやっているのは趣味の世界だから、正論なんて無いんだ。

少年A:僕は天体鑑賞スクールのメンバーだから、スクールとしての正論があった方が学びやすいです。

コーチ:ここではみんなにウケるのが正論さ。まあ、たいしたスケッチじゃなくてもSNS等のフォロワーは優しく、褒めてくれるので、ある意味何でもよいけどね、、。以前に当スクールで褒め方を教えたでしょ。

C:天体を望遠鏡で見せてもらった時に面白くなくても「凄くシャープですね!」と言うとか、「これってウソじゃないよねっ!」と感動したふりするとか??

コーチ:そうそう。

少年B:コーチ、今回はあんまりコメディっぽくない~

コーチ:別に天体鑑賞スクールはコメディじゃないんだけどな、、。じゃあMちゃんに期待しようか?

少女M:えっ??

少年BMちゃん、何してるの??

少女M:もうすぐアイドルグループが来るって聞いたので待ってるの。

少年C:アイドル??

少女M:そう、HSTという名前らしいの。Bちゃんが言ってた。

少年AHSTはハッブル宇宙望遠鏡の略で、アイドルなんかじゃないぞ~

少女B:えっ、そうなの?AKBあきばHKTはかたなので、HSTはせたに(櫨谷)”の略だと思ってた。

少年C:はせたにってどこだよ?

少女M:知らないの?神戸市にあるんだけど、、。じゃあISSは佐賀県のいしし(石志)に本拠地を置くグループじゃないのね?

少年A:どこまでこじつけるんだよ~。コーチ、いつもの薀蓄は~??

コーチ:はいはい、ではNGC3242を導入して

少年・少女:はーい

少女B:なんだか水色っぽくてもやっとしているー

コーチ:そうです。これがCBS EYE、、。 久々のお目々シリーズです。

少年ACBSって何の略なの?“ちょっと ばーさん すてきだね!”とか?

少年B:違うよ、“ちいさい バケツに入った しびれるもの”だよね?!

コーチ:CBSはColumbia Broadcast Systemの略で現在の米国CBS放送のことです。この放送局のロゴはNGC3242にそっくりですね。90年前、この星雲を望遠鏡で観た米国のお金持ちがCBS放送を作ったようです。

少年B:ほんとかよ、僕が生まれる前の話だし、、。

少女A:ウソに決まってるでしょ。この星雲、木星状星雲とも言われるらしいね。体調を壊して青白い顔をしている木星みたい。

コーチ:だからスケッチはこたつの上で描くのが良いんだよ。風邪ひかないから、、。
 
(おしまい)

過去10回の天体鑑賞スクールもご照覧ください。文字化けするかも知れませんが、、。
 

本日は透明度も気流もそれほど悪くなさそうでしたので、バルコニーにドブを出して超久々にスケッチしてみました。
明るい部屋から出た直後ではM42の色が綺麗!ターコイズ・ブルーとオレンジ色っぽいピンク、、。
暗闇(といっても照明無しで充分に活動できる明るさ)に徐々に慣れてくると色が薄れていきました。
気流は予想通り悪くなく、トラペジウムが107倍で6個楽勝でした。

最初はまだ高度が低かったのですが、久々にスケッチに挑戦。
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2時間もかけたのにこの程度、、。情けない、、。暗い星のプロットが足りないし、ガスの濃淡についてもまだまだ書き込みが足りない。
完成度は40%です。間違っているところもあるし、、。

満足できる出来栄えにするには最低6時間はかかりそうです。
光害地でどの程度見えるのか記録したいので、明日以降、頑張ってみます。

他にはクレオパトラ、エスキモー、M35/2158、37星団、ハッブルの変光星雲、クリスマスツリーを観察。
寒かったけど薄手の手袋にUSBで発熱するウォーマーを入れていたので何とかしのげました。

さて、今回が双望会レポート最終回です。

双望会のOpeningはもちろん太陽観察!!
じろーさんやK_Nebulaさんの太陽望遠鏡を覗くことが私にとっての最大の楽しみです。
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これらの望遠鏡はほんとに凄いんです。
Jazz喫茶でマークレビンソンのセパレートアンプを聴かされた後のような感覚で、自分にはこんなに凄いの絶対買えないな!と思えてしまいます。

最終日の閉会式直前もやっぱり太陽観察。
中野さんの選りすぐりBinoが口径が小さいのにめちゃめちゃ見えてびっくり!コントラストが高いし、シャープだし、、。
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PSTもこんなに見えるんですね。

最終日はhasyamaさんの15cmで再び太陽観察。
大迫力でダーク・フィラメントがプロミネンスと同一であることがよくわかりました。
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また、じろーさんの望遠鏡で外側に長く伸びたプロミネンスが印象的でした。こんなに長いのは初めてでした。
そしてこれが私にとっての双望会での最後の天体観察となりました。

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