双望会が終了してはや2年、今年も一部の方のご尽力があって同窓会が催されることになりました。
ほんとにありがたいことです。
私は出不精で星まつり等にあまり出向かないのですが、この会だけはほぼ毎年参加しています。
この会で私は毎年ユニークなニックネームが付いた天体やあまり注目されないものをみんなで観て楽しんでいます。(面白くなかったという意見も多くありましたが、、。)
これまでたんぽぽの綿毛、チーズバーガー、クマの掌、ダイヤモンドリング、ベイビーエスキモー、がっくり、クリンゴン・バトル・クルーザーなどを紹介してきましたが、今回もややマイナーものをみんなで見ましょう。
一つ目はBirds’ Nest。鳥の巣です。
これは北アメリカ星雲の中のカナダのハドソン湾のところにあります。
中心がNGC6996散開星団で星が小さく集まっており、その周りが若干暗黒星雲によりリング状に覆われています。
Sue Frenchは10cm47倍でリングが確認でき、15インチで27個の鳥の卵のような恒星を見ることができたと言っています。
北アメリカ星雲はいつも判りやすいメキシコ湾のあたりを観て「見えた」と満足してしまいますが、今回はもう少し詳細に観察してみましょう。
下の写真は4年前にシアトルのアパート(肉眼で3等級が限界)で写した北アメリカ星雲です。
淡いけど英語の”O”字状の暗黒星雲がわかりますでしょうか?
次はKing’s Gift。その名の通りケフェウス王からカシオペア王妃への贈り物です。
場所はケフェウス座のι星とカシオペア座4番星の間にあります。
S&T誌の執筆者Mathew Wedelは100光年から1500光年といった様々な距離の星が集まり宝石の宝庫(Trove of Jewels)のようだと言っています。
また、カシオペア4番星の近くにはオレンジ色っぽい星がいくつかあり、M52も寄り添っていて楽しいです。
大きさが5度×2度もあるので双眼鏡がいいですね。RFTで流すのも面白そうです。
NGC6802散開星団はご覧になったことがありますか?
多くのマニアはご自分の視界に入ったことがあると思います。
これは有名なコートハンガー(Collinder 399)にほぼくっついているのです。しかもこの天体の北側には
2重星が二組あってNGC6802と二等辺三角形を形成しています。
なかなかイイですよ。
NGC7331のところにある銀河NGC7335, 7336, 7337, 7340も面白い名前がついています。
蚤とかダニとか、、。
少し大きな口径の望遠鏡が望ましいのですが、蚤探しもしましょう
そしてM45。
先日の天体鑑賞スクールで紹介したとおり、内部に赤っぽい星があります。
これは簡単に認識できますが、綺麗なので良質な望遠鏡で観ることをお薦めします。
それから私とS.T.さんとで毎年恒例となっているM42 Hour。ありきたりですけどね。
M42オリオン星雲が南中する頃に45cmにナグラー22mmとパラコアを付けてうっとりする時間。これ、本当に美しいのです。
褒め上手なS.T.さんの言葉を聞いて次の一年に向けた活力を得る至福のひととき。
そして飽きてきたら倍率を上げて複雑なガスの中で見え隠れする小さな恒星を観てまた低倍率に戻す。
この繰り返し。
今年は同窓会開催時期が遅いので1時ごろがピークとなりそうです。
なお、オリオン星雲の色を観たい方は目をあまり暗順応させていない状態で大口径を覗いてくださいね。
双望会は基本的に月の小さい時に開催されるのですが、今回は明け方に月が昇ってくるので、高性能な望遠鏡で月の縁もついでに見せてもらいましょう。
特にツアイスで観る月は絵画のように美しいです。
ちょうど月の南(ティコの向こう側)が地球に向いていますので大きさ300kmもあるBaily(バイイ)の大きさがより実感できるでしょう。
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