良質な5~6センチの望遠鏡は月・惑星はもちろん、星雲星団もそこそこ見えますよね。
ただし星雲・星団は空の良いところでのお話。
↓このようにオリオン座以外は星座の形が判らないような都市部の空ではかなり厳しい。
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親に小さな望遠鏡を買ってもらった都会の子供たちは親に連れて行ってもらわなければ、郊外に望遠鏡を持って行けず、結果的に月とかあまり変わり映えのしない惑星の姿を確認するにとどまってしまいます。

これではもったいない。流行りの電視観望だったらもっと良く見えるのでしょうが、手持ちの機材だけで観察するというのも面白いと思います。

というわけで、最近取り組んでいる5cmによる星空宝探しを本格的に実行し、このブログで見え方や導入方法を不定期に少しずつ紹介していきます。

1回目はM3球状星団です。いきなり高難易度のものですが。
私が先日部屋の中から見たスケッチはこれ↓
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左側の明るい星は6.2等。右下の淡い星は9.8等でそらし眼でぎりぎりでした。
5cmで観るM3はとてもしょぼいのですが、33000光年かなたの光ですからなんだか嬉しい。

この星団の位置はうしかい座のアークトゥルスとりょうけん座のコールカロリの中間ですが、都会ではコールカロリが肉眼で見えませんから以下の方法で導入します。

①星図ソフトで観察する時刻のアークトゥルスとM3の高度、方位角を調べる。
②スマホの傾斜計アプリ(無料で入手可能)望遠鏡に取り付け、アークトゥルスを望遠鏡で導入する。
ちゃんと水平面でリセットした傾斜計ならば、星図ソフトで調べた高度を示す筈です。
スマホの取り付けはしっかり行う必要はなく、手で鏡筒に当てるだけでも大丈夫です。
③アークトゥルスから高度、方位角の差分だけ望遠鏡を動かし、低倍率で根気よくM3付近の星の並びを探す。

下は本日22:39の例です。
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アークトゥルスを導入したら11度分上に向け、左方向に5度分動かすだけ。私の望遠鏡で15倍だと3度弱の視界があるので、5度は視野中心から視野の端までの距離の3倍強です。

次回はもう少し見栄えがするものを紹介しますね。