少年B:何見てるの?

少年A:今度の転入生T君が持ち帰るのを忘れたスクラップブック

スクール(Tくん)

少女A:見ちゃダメじゃない

少年A:ちょっとだけならいいだろ!これ凄いぜ!

少年CT君マメだなあ。天文に関するいろんなものを書いたりファイルしたりしてる。

少女B:みてみて、もちものリストだって

少女C:リストを英語で書いているけどSが裏返しになってる!!

少年C:ほんとだ。かわいい。

少年A:リストにある20cm反赤って何?

少年S:赤道儀に載った口径20cmの反射望遠鏡だね。T君、そんなの持っていたのかな?子供では運べないぞ!

少年A:もちものは他にカメラ、レリーズ、うちわ、、、うちわは何に使うの?

少年C:ふじ井九日のおしえというページに説明があるぞ

少年S:これふじ井九日じゃなくて藤井旭じゃない?天体観測・写真のカリスマだよ。

少年A:カリスマって「ぷっ」すまとは違うの?

少年B:「ぷっ」すまって何?スマスマとも違うの?

少年C:草なぎ君とユースケのバラエティだよ。江頭2:50も出てたよ。スマスマに出ていた人の中にはカリスマがいるけどね。

少女A:カリスマはT君のことじゃない?このスクラップブックに「ボクはカリスマになるっ」って書いているし。

少年ST君はカリスマになるよう頑張ってたんだな。藤井旭さんの特徴的な絵をたくさん模写してるぞ。すごく力強いタッチで。でも焦って宮城隆史みたいな盗作写真家のようにはならないで欲しいな。

少女C:宮城氏に限らず今でも盗作している人は結構いるらしいよ。

少年S:盗作じゃないけど写真の部分的なコピペやコラージュも本来の写真とは異なるとよね。それらを新星景やコンポジット、レタッチの延長と捉える人もいて世の中何でもありになってきているよね。

少女C:フォトショップ使えば凄い作品が簡単に作れちゃうこともあるよね。天体写真に限らず写真コンテストの審査員の判断基準があいまいなので、入選する為にますます作品のポスト処理が進んでいるって聞いたことがあるわ。

少年S:米国ではアマチュア天文愛好者を取りまとめるAstronomical Leagueが撮影や観測に関するルールを作り、皆がそれにのっとっているのでブレにくいけど、日本は先駆者の藤井旭さんらが公開したルールも崩壊してきているような気がしているってutoさんが言ってた。

少女A:なんだかこどもの会話じゃないね。 で、うちわは何に使うの?

少年B:ツヤシターって書いている??

少年C:たぶんシャッターだよ。幼いころのT君はカタカナのツとシの区別がつかなかったんだろうな。天体写真撮る時、レリーズでもぶれるからうちわを使うって。

少年B:レリーズって好きよキャプテンの?

少年A:ちがうよ熊谷のサッカーチームだろ

少年S:レリーズはリリーズとは異なり、カメラに取り付けてシャッターを切るものだよ。うちわは流星の固定撮影時にタイムマークを入れるのにも役立つってさ。

少年B:タイムマークってこれっ?

少年A:それはテクニカルファウルのジェスチャー。タイムアウトは片手の掌に指一本でTの字を作るんだ。

少年C:たぶんバスケの審判のジェスチャーの話じゃないよ。

少年S:タイムマークは流星が流れた時にうちわでレンズを覆って星の軌跡をいったん中断し、その時の星の位置との相対関係を把握するものなんだ。

少女A:むずかしいねえ。でもこのスクラップブックに載っているT君のカメラはバルブ撮影ができないんじゃない?

少年A:じゃあうちわがあっても仕方がないじゃん。

少女A:藤井旭さんのおしえは他にどんなものがあるの?

少年C:星座写真は必ず北を上にするとか組み写真はスケールを統一するとか。

少年A:スケールってボールを奪うこと?

少年C:それはスチール。またバスケの話??

少年A:ごめん、ごめん。おしえにフィルムはカットしないって書いてあるけど、どういうこと?カットってゴールに向かって走りこむことだろ?

少女C:それもバスケの用語。星を写したフィルムを現像所に出すときに、「切らないで」と頼むんだって。星は淡いので、何も写っていないと思って星の写真のコマの真ん中とかでフィルムを切断することが無いようお願いするんだよね。

少年B:ツEシピソグソヌトってなんだ??

少年C:ショッピングリストじゃないかな?ヨが逆さまのEになっているね。

少年B:そうか。そのリストにパソドールって書いてある??

少年S:たぶんパンドール増感現像液のことだね。

少年C:でもT君が「らい年のもくひょう:フィルムをかう」って書いてる。この時まだ写真撮影はしていないな。パソドール買う必要あるのかな?

少年B: まずはツEシピソグソヌトにフィルムを載せなきゃ。それから現像の話も来年以降だね。

少年A:あれっ?スクラップブックの中にソ〇トバンクのお父さんが、、。藤井さんも家族なの?

少年C:違うよ。その犬は雌犬のチロ。白河天文台長を務めたりしてソ〇トバンクのお父さんよりずっと前から人間として働いていたんだ。

少女B:顔がそっくりなのでびっくりした。たしか北海道県だよね

少年A:北海道は県じゃないよ。

少女B:間違えた、北海道犬!!

少女A:みてみて、T君は円をいっぱい描いている。けっこうガタガタ、、。コンパス使えばいいのに

少年S:たぶんスケッチする時の視野円を描く練習しているんじゃないかな?コンパス使うと真ん中に針穴ができちゃうからフリーハンドで描いているんだと思う。

少年A:イリーガル・ユース・オブ・ハンド??

少女A:(A君を無視して)円がすごくたくさんある。頑張り屋さんだ。

少年B:すごいなあ。将来を見据えた情報や努力の跡がたくさん見られる。でもちょっと深さが足りないなあ。本で見かけたことを単に羅列しているだけ、、。カリントになるにはまだ時間がかかるよね。

少年C:カリントじゃなくてカリスマっ

コーチ:はいはい、盗み見はここまでにしてT君にスクラップブックを返すんだ。

少年・少女:あっT君、こっそり見てごめんなさい。

少年T:   べつにいいよ。       ぼくのスクラップブックが参考になったかな?

少年A(小さな声で)うあ~独特の間がある、、。しかも上から目線!!

少年B:コーチ、今日の蘊蓄は?

コーチ:今日はスクールの日じゃないのでありません。次回のスクールは超大作になるので、宿題を忘れないようにしてくださいね。

千〇真理:う~ん、ワクワクするねえ。みんな次回も見るっきゃないわよっ。

 

おしまい