昨夜は久しぶりに気流の状態が良かったので月をじっくり見ることができました。
DSC_5155
上はHi-Or2.8mm(107倍)にニコン1を覗かせた中央部付近の拡大写真(動画からスタック)。
このカメラの動画は1/100秒以下にはできない為、透明度が低かった昨夜はISOを限度の6400まで上げる必要があり、ほんとにいっぱいいっぱいの写真になっています。

興味深かった地形は下の写真に示す2つのクレーターです。
DSC_5161aa
一つ目はLunar 100の45番に設定されているMaurolycus。これはResion of Saturation Crateringという説明がついていますが、クレーターが重なり合って、過去に生成されたクレーターが判らなくなっているような場所だそうです。
ですからとても複雑な形状であり、欠け際の太陽光の当たり方によって様々な表情変化があって面白かったです。

一方、BacoというLunar 55のクレーターは何となくつるっとしていますね。説明はUnusually smooth crater floor & Sorrounding Plainsです。
どうやらこのクレーターには微小な隕石が多数当たったようです。それによりでこぼこの表面がスムーズな表面になっちゃったそうです。

MaurolycusとBaco。距離はそれほど離れていないのに、全く異なる地形です。数十億年前にどんなことが起きたのだろうと考えながらじっくりと観察を続けました。

それから昨夜の秤動はこんな感じ↓ 
これはエクセルで私が作成したもので日付の近くの赤丸が地球側に寄っていることを示します。
昨夜は月の西が地球側に向いていましたね。逆に言えば東端(倒立の望遠鏡を覗いた時の左側)は奥側に斜めになっているのです。
Moon_Lib_0429

写真で見ると明らかで、危難の海がずいぶん月の縁に寄っていますよね。
DSC_5151

こうなると欠け際ではない、東の縁側もクレーターが見易くなり、そのあたりも堪能しました。