都会でも楽しめる天体の一つが重星ですが、比較的容易に分離できる重星をしっかり観察、訓練することによって、口径の限界ぎりぎりの重星を捕獲する能力が磨かれていきます。

例えば下の写真のこうま座ε星。

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これは主星AとBとの角距離が0.7秒と小さく、5cm程度では歯が立ちませんが、ABとC(3番目)の角距離は10.5秒である為、写真のように容易に分離します。
この時、単に「分離したー!」と安心するのではなく、主星と伴星のPA(方位角)を確認しましょう。
もし、自動追尾していたら追尾を止め、星の動きを観察します。星が動く西方向に伴星があればPAは270度です。そしてPAは反時計回りにカウントします。
写真のこうま座εはPAが70度です。

それから星の色にも注目しましょう。
ABはスペクトルF6のYellow-Whiteで、伴星CはスペクトルはわかりませんでしたがBlueとのことです。
写真にもそれっぽく写っていますね。

ここ数年話題になっているシリウスBは主星との角距離が現在10.7秒でPAが75度。丁度上の写真のこうま座εと同等です。
こういった知識を持ち、経験を積めば実際にシリウスBを観た時に確信が持てるようになります。

重星観察は色の対比も面白いのですが、位置角や距離を意識すると味わいが深まると思いますよ。