この度自作した5cmF10反射望遠鏡にいくつかの良い評価を頂きましたので、調子に乗ってベテラン向け5cm望遠鏡について少し書いてみたいと思います。

 


現在市販されている5cm望遠鏡の多くは写真用か子供/初心者向けですね。

子供/初心者向けであっても素晴らしい見え味のものもあります。コーティング/研磨技術の進歩やメーカーの真面目な取り組みの成果であり、大変喜ばしいことです。

 

しかしながら、これら初心者向け望遠鏡は(身体にガタがき始め、眼が悪くなる前にもう一度眼視で天体を観察したいと思っている)ベテランの方々には若干向いていない所があります。

それは、、。

 

初心者用望遠鏡の多くは低・中倍率のものが多く、それで観る月や惑星は変化がそれほど大きくない。(毎日天体観察をするモチベーションに繋がらない)

大人が子供向け望遠鏡を覗く際、中腰の姿勢をとる必要があり、腰に負担がかかる。

 


の倍率についてもう少し詳細説明をします。

下の写真は昨夜及び一昨日に月がまだ低空でかつ薄雲がかかっている時に5cm反射で写したものです。気流の状態があまり良くなかったので若干無理した作品ですが、眼視では気流が良くなった瞬間にこれら写真よりも詳細(影の形とか太陽の光をクレータの一部が受けてキラキラしている様子等)がよく見えていました。

Moon_003220hj

Moon_011928wwa

 

5cm反射は写真のような姿がコンスタントに観られます。15分~30分間の太陽の当たり方の変化も捉えることができ、月を眺めるのが毎日楽しみになってきます。

倍率は125180倍。詳細を把握するにはこれくらいが必要でした。80倍までの倍率でも月の美しさを堪能できますが、もう一つ踏み込んだ観察には高倍率が欲しいところです。

 

現在市販されている望遠鏡で120倍以上の倍率を出すことは可能だと思いますが、詳細観察には自動追尾や微動があると便利ですよね。初心者用はそういったものを省いていますので、ベテラン向けには標準装備としたい。ベテランは充分に使いこなすことができますし。

因みに私の5cmiOptronのポタ赤とSLIKの微動雲台に載っており、長時間の観察が容易です。(途中で妻に呼ばれて対応したり、コーヒーブレイクしたりしても自動追尾ですから余裕です。)

 


次は
の姿勢問題。

腰に負担がかかる姿勢は問題外です。危険なのでやっちゃだめです。

座ったままか、腰を曲げず立った姿勢で覗けるようにするかの対策が必要だと思います。

で、私のおすすめはテーブルの上に載せるテーブルトップ望遠鏡!

長焦点アクロはテーブルに載せるほどコンパクトにはできないので、アポクロマート屈折か反射、反射・屈折からのチョイスになりますね。

テーブルを使う利点、それはテーブルに両手をつきながら覗くことで腰への負担を軽減できることです。

テーブル上にはPCや付属品も置いておけるし便利です。

 


5cm
という小さな望遠鏡を前提に話を進めていますので、持ち運ぶ時の重量や保管についてはそれほど問題ないと考えます。

ただ、一つ気になるのが騒音。私は手動導入派の為、自動導入のモーター音がどの程度なのか存じませんが、都会のマンションのベランダでは響くかもしれませんね。

私が社宅に住んでいた頃、ベランダで36.4mmのアイピースを接眼筒にねじ込む音にも気を使っていました。

 

いろいろ勝手なことを述べましたが、ベテランがもう一度眼視観察をするのにおすすめは自動追尾及び微動が付いた卓上赤道儀に載った小型望遠鏡です。倍率は150倍くらいは出せるようにしたいところ、、。

このようなシステムは流行りの電視観望や写真にも適用できます。

 

コロナ禍で在宅勤務や終業後直帰される方が激増している今、自宅での天体観察用に望遠鏡がバカ売れしているという話も耳にします。

ベテランの皆さんもこの機会にこれまで鍛えた目を武器にコンパクトな望遠鏡で天体の継続観察をしませんか?

(できればNewtonyの後継機としてF8くらいの高倍率使用可能な安価なニュートン式反射を出してくれないかなあ?そうすれば小口径仲間が増えて話が弾むし、、。)


今後も当ブログで5cm反射望遠鏡で天体を味わい尽くす記事を継続して載せていきます。
お楽しみに。