お待たせしました。IR640 Proフィルタ効果の検証結果を報告します。

このフィルタはご存知のように640nmより短い波長をカットします。Hα線が656,3nmですので、そこから長波長の近赤外領域を通し、光害の影響を最小化するというものです。
私が一緒に用いるCMOSカメラASI462MCの感度のピークが800nmあたりですし、主斜鏡の金コーティングも700nm以上を強化しているので、このフィルタも最強の近赤外観望システムの一部とも言えますよね。

では結果をオリオン星雲、クリスマスツリー星団、銀河の順に説明します。

まずはM42。
既にネット上で他の方が検証されているようにIR640フィルタの効果は間違いなくあります。
M42goldw640
上の写真は同じ露出時間です。
フィルタ付きは色が薄くなっていますが、明らかに淡い部分の描写が良いです。
微光星もフィルタ有りの方が1等級くらい暗い星が写っているようです。

次はクリスマスツリー星団とハッブルの変更星雲です。
Xmas_Hubble4filter
フィルタ有りの方が暗い星まで写っていますね。

では銀河はどうか?
昨夜、一昨日は明るい月があって、条件最悪でした。そのような場合、フィルタ有無の差異はあまり見出されませんでした。
むしろピントの追い込みやシーイングの良し悪しの方が写りに対する影響が大きいようでした。
N5577Comparison

本日は月が昇る前にやまねこ座のNGC2683を電視観望しましたが、差は顕著でフィルタ有りはStackがサクサク行われて」下の写真のような良像が得られましたが、フィルタなしはなかなかStackしてくれませんでした。
n2683ir640

という訳で、IR640 Proフィルタは近赤外領域の電視観望に貢献することが確認できました。
まあ、予想通りですね。

明日以降はこのシステムで写したDSOを紹介していきます。
かなり地味ですが、ドブソニアンを使った眼視マニアにはウケると思います。