週末にシベットさん主催のZoom会議が開催されます。


興味深い会議ですね。
私は今年の1月末に本格的な近赤外観望First Lightを終えたばかりの新米探偵団員ですので、写真や電視観望のベテランの方々のお話を聴くのが楽しみです。

ブログで紹介しておりますように、最近の私は金コート5cm反射望遠鏡とIR640フィルタによって近赤外観望をしていますが、フィルタなしでも充分な成果が得られています。
”フィルターレス近赤外観望” これが他の人と異なる点かな??

以前にノーフィルターで行った銀河(しし座トリプレット)の電視観望のPC画面がこれ↓

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月齢12の大きな月が67度西(ふたご座)にあったので、Stackingに若干苦労しましたが、結構いい感じで見えていました。

話が変わりますが、私が鏡を購入したEdmund Opticsによるコーティングの説明を以下に示します。
Coating
それから反射率のグラフを示しますね。
Ref_Curve

赤い線は私が購入している他の鏡(5cmF6と5cmF10)のものです。可視域については普通のアルミ保護膜コートよりは高い反射率を示していますが、650~1100nmで反射率が落ち、特に850nmで65%まで下がっており近赤外には不利であることを示しています。

金コート反射の製作前にF6の反射鏡を使って銀河を狙ったことがありますが、まあまあの結果が得られています。
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特にNGC2281散開星団は色も少し出ていて綺麗ですね。
やまねこ座のNGC2683銀河はStackの時間が稼げずショボいのですが、眼視よりも遥かに良く見えていました。まあ、CMOSカメラASI462MCの威力ですね。

反射率曲線中、黄色の線の金コートは650nm以上において95%以上の高い反射率を維持しています。上の説明にもあるようにまさに近赤外・赤外に特化したコーティングです。
その代わり、可視域の反射率が低く、私が眼視で天体の導入にやや苦戦している理由がよく判ります。
(因みに銀コートの方が可視域も赤外にも適していますが、Edmundの製品は残念ながら低湿環境下でしか使えないようですから屋外での運用は難しそうです。それからBare金コートが抜群の反射率を示していますが、おそらく研究室内のような環境を整えたところでしか使えないのでしょうね。)

この金コート反射鏡は天体の色の再現には向いておらず、地味なものになりますが、大口径ドブで天体を観察してきたベテランには好評です。
でもこれを組み込んだ望遠鏡の需要は研究者以外には殆ど無いと思います。