昨日のブログでエドモンド・オプティクスの鏡とタカハシのHi-Orアイピースの入手がKey Parameterの一つであると書きました。

今回は少し変わった視点です。

2019年に重箱ドブを披露した時、とある写真家の方から「装飾に沈金や蒔絵の技法を取り入れたら美しくなるよ。」とのアドバイスを受けました。

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重箱ドブはアンティーク調の塗装を施しており、それなりの雰囲気(経年劣化や無骨な感じ)を醸し出していたのですが、美しさには欠けていました。
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その時はあまりイメージできなかったのですが、昨年2月(コロナ前)の石川への旅行で沈金体験をさせて頂いたことにより方向性が定まりました。

「よし、これからは日本の伝統工芸である漆塗り風の仕上げにしてみよう。漆塗りは大変手間がかかるとのことだが、それが愛着につながるに違いない」

本物の漆はかぶれたり取り扱いが難しかったりするので”うるし風”ペイントを購入し、早速試してみましたが、難しくてなかなか綺麗になりませんでした、、。

友人から「できるだけ薄く塗るんだ」というアドバイスを受け、その後何度もサンディング(水研ぎ)/ペイント塗布を繰り返した結果、

自分の中では満足できる出来になりました。
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まだ沈金や蒔絵を適用するレベルに到達していませんが、仕上げをうるし風にすることは以下のメリットがあります。

①防水、恒温効果がある。
②美しく、手触りが良いのでうれしくなって使用頻度が上がる。
③継ぎ手部も含めて強度・剛性が飛躍的に向上する。


この③が特に大きなポイントで、5cmほどの小口径ならばネジ等を用いず木工用ボンドによる接着と塗装とで鏡筒を作ることが可能となりました。

金コート5cm反射にはネジを光軸修正部のみに使用しており、しかも普段は隠しているので大変すっきりとした外観になっています。
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そして③のもう一つのメリットが「超軽量バルサ板を主構造に適用できる」ということです。

これにより机の上でカッターナイフとキリによる超お手軽かつ木くずが出ない工作が可能になり、加えて軽量化も図ることができました。

工作する部屋を持たない私には木くずが出ないというのはありがたかったです。
石川への旅行時に沈金体験を提案して下さった友人に感謝します。